(2015.07.14公開/2015.08.16更新)
バリトンギター(Baritone Guitar)という楽器があります。
バリトンギターには、エレキギターもアコギもありますが、普通のギターよりも
弦長(=スケール)が長く、使用する弦も太いため、低い音が出せます。
チューニングは4度下げの「B-E-A-D-F#-B」や5度下げの「A-D-G-C-E-A」で
使用されることが多い楽器です。
▼レギュラーチューニングとバリトンギターのチューニングの比較図
(1)改造素材・工具など
□ 改造するギター本体
□ 取り替え用のナット
□ 木づち(ナット外しに)
□ 工作用精密ヤスリ(ナットの溝きり)
□ タイトボンド(ナット固定)
改造するギター本体は、ボディが大きめで、ネックが丈夫そうな物がいいかなと思います。
ボディの大きなSJタイプとか、ネック強度がありそうな12弦ギターとか。
今回は、SJタイプのエレアコを改造ベースにしてみました。
弦がかなり太くなるため、張力は大きくなりますし、オリジナルのナットでは溝が狭くて使えません。
ナットだけは、バリトン弦に合わせて新しく作成することにします。
レギュラースケールの弦長で、27インチスケールのバリトンギターと
同じチューニングにするなら、スケールが短い分だけ張力は緩くなるので、
ネックにかかる負担は多少緩和されるかな? という目論見もあります。
ダダリオのEXP23です。Baritone Guitarとの表記がありますね。
太さも.016-.070インチと太いです。ちょっと高いですが、コーティング弦だし、長持ちはしそうかな。
右にあるのは、外したナット。オリジナルは保存して、別のナットをバリトン弦用に作ります。
左側が普通のライトゲージの6弦、太さ.053インチ。
右側がダダリオのEXP23の6弦、太さ.070インチ。
約1.32倍ですが、もっと太いように感じます。やっぱりかなり太いですね。
左側が普通のライトゲージの6弦、太さ.053インチ。
右側がダダリオのEXP23の4弦、太さ.048インチ。これで同じくらいか。
拡大写真はありませんが、プレーン弦の2弦、1弦も太いです。
プラモデルとかの細工用に売られている棒状の細いヤスリ。
これをナットの溝きりに利用しました(専用工具は高価なので・・・)。
バリトン弦の6弦や5弦は、このヤスリでは細過ぎるので、100円ショップの
精密ヤスリなども利用して溝きりしました。
削っては、弦を当てて、溝の幅や深さを弦に合わせます。
溝きりできたナットに、タイトボンドを薄く塗り、貼り付けます。
ナットが固定できたら、弦を張って行きます。
ここで問題発生。サドル側の穴が細すぎて(弦が太すぎて・・・)、
6弦がこの写真のようにしか固定できないことが判明・・・。
でも元に戻すこともあるかと思い、サドル側は無加工にしときました。
ブリッジピンを金属製のものにして、強く押し込むことで、弦を固定しました。
弦を張り終えた状態。
ブリッジ部分の拡大。
特に2弦や6弦が太くて曲がりきらずに、ブリッジに対してうまく乗っていない感じです。
弦の太さにあった溝(ノッチ)を彫るとか、改善の余地がありそうですが、
元に戻すことを考えて、とりあえずはこのままで楽しむことにしました。
▼Gravity - Sungha Jung (Bariton Guitar)
▼Flaming - Sungha Jung (Baritone Guitar)
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