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エビノコバンの観察例

 知人が近くのため池でテナガエビ類を見つけたので、採集しに行くことになった。現地に着いたのが、午後8時半。懐中電灯で池の護岸に積まれた小石の隙間を照らして、テナガエビを探した。テナガエビも何匹か確認できたが、スジエビやら、ヨシノボリなどがちょこまかと動き回っていた。夜の水辺は、昼間以上ににぎやかだ。
 スジエビも採集したのだけれど、胸部の横に何やらダニみたいなヤツが着いていた。よく見ると、ダンゴムシやフナムシに似た形をしている。「スジエビ、寄生」などのキーワードで検索すると、エビノコバン(海老の小判)というのがいるらしい。たぶん、こいつがそうだろう。


写真左:スジエビの体側に着く様子。体長は5mmくらい。
右:拡大写真。このくらい拡大すると、ワラジムシによく似ています。海老の小判という名は、うまいネーミングですよね。
 エビノコバンを寄主から離して、スジエビと一緒に入れておくと、エビの脚や触覚に触れたとたんに、素早い動きで掴まります。エビは嫌がって逃げようともがきますが、エビノコバンも必死です。結局1分ほどで、エビの胸部側面(ここが定位置らしい)に着いて落ち着きました。



<参考になるサイト>

▼エビずかん>エビの病気、寄生生物
エビ類を中心としたWeb図鑑。

▼ウオノエとは?
魚のエラや口内に寄生する等脚類もいるそうです。

▼特別展「大和川の自然?きたない川?にも こんなんいるで」
大阪市立自然史博物館の展示解説書を見ていたら、このエビノコバンについて少し書かれていました。奈良県では斑鳩町と王寺町(1960年代)、奈良公園(1950年代)に記録があるそうです。


公開:2006/08/31 /更新:

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