●K-mal's HP望遠鏡でも見てみよう

公開:2007/07/16 /更新:2007/09/01 

コスモキッズ用 PONCET型の簡易赤道儀

 コスモキッズという、ビクセンが作った小さな望遠鏡がある。少し改造すれば、気軽な天体観望用にいいよと教えてもらって、入手しておいたもの。口径76mmのニュートン式反射望遠鏡だ。お椀型の架台で、望遠鏡の本体下部の球状部分と合わせて、ボールマウント状になっていて、空のどの方向にも自由に向けることが可能です。以前、アストロスキャン2001という赤い望遠鏡が日本でも売られていた時期があるのですが、それとよく似た形です。
 コスモキッズを天文仕様に改造することについては、 さとう博士の研究室  や 宇宙を頂きます!  が参考になります。

 教科書なんかに出てくるニュートンの作ったと言われる反射望遠鏡は、口径が50mmほどだったそうなので、それよりはちょっと大きめ。一般的な入門用反射望遠鏡が、口径100〜150mmなので、それよりは小さめ。だけど、月なんかは意外と良く見えますし、焦点距離が300mmと短いので、低倍率での観望に向いています。
<参考> ASTRO PHOTO CLUB>コーヒーブレイク>ニュートンの反射望遠鏡(本物はどちら?)

 このコスモキッズ用に、日周運動に合わせて、星を追いかけられるような台を作ることにしました。簡易赤道儀と呼ばれる物ですが、簡単な木工で作ることができます。以下のサイトを参考にしました。
<参考> ちょっとそこまで、星を見に>あやしい天文工作室>フリーマウント+簡易赤道儀=お気楽観望システム
ドブマガジン>ポンとセット普及委員会


 さて、例によって、工作のプランニングと素材集めです。ホームセンターや100円ショップなどで、入手が簡単なものをできるだけ使うことにします。


 素材の一部。
 天板と土台になる板は、100円ショップのまな板です。ステンレス製の蝶番、方位磁石なんかも揃いました。
 6mmのボルト、鬼目ナット、袋ナット、ノブスター(ボルト用のツマミ)、木ねじ、1×4の木材などは、ホームセンターで購入。
 工具は、ノコギリ、電動ドリル、ドライバー、ヤスリ、金槌、木工用ボンド、分度器など。


 自宅付近の緯度(約34.5°)に合わせて、1×4材をカットします。極軸にするのは、蝶番ですから、この角度に切ります。ここに蝶番を2つ並べるつもりが・・・、幅が足りなくて、1枚のみで繋ぎました(設計図なしで工作したら、あきませんね)。


 極軸の蝶番部分です。


 土台と天板を付けると、こんな感じです。当たり前だけど、斜めに折れ曲がります。
 極軸と反対側には、微動装置を作ります。やっぱり34.5度くらいにカットした木材を使って作ります。天板側に鬼目ナットとボルトを付けて、土台側に鉄板を貼った受け台を付けます。


 仮組した状態。
 微動用のボルトには、ノブスターをつけてツマミにします。
 天板には、北側が分かるように、方位磁石も貼り付けます。


 微動装置部分。
 ボルトの先端には、丸い袋ナットを付けてみました。
 蝶番とボルト先端との距離は、適当です。眼視専用なので、計算しませんでした。
 写真撮影用なんかにも流用する場合でしたら、ボルトの回転と追尾の角度をちゃんと計算して求めて設計する必要がありますね。


 コスモキッズの架台を天板にボルトで固定します。
 これで完成。
 さて、この簡単な装置で、どの程度星の追尾が可能なのか。梅雨明けが待ち遠しいです。


 ※その後、使用した感想です。(2007/09/01追記)
 多少のガタがあります(→蝶板を良い物に変えれば改善するでしょう)が、星の追尾はできるようです。ただ、コスモキッズを高倍率で使うことは無いので、無くても大丈夫、というか無い方が使いやすいように感じました・・・。まぁ、楽しい工作ができたと言うことで、よしとしましょう。他の望遠鏡用に流用できるかもしれませんし。


●K-mal's HP望遠鏡でも見てみよう